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T.R.Y. 北京詐劇/井上 尚登

 第19回横溝正史賞正賞を受賞し、ベストセラーとなった 「T.R.Y.」 の続編です。

 様々な思惑と陰謀が渦巻く、二十世紀初頭の上海。
大きな時代のうねりの中で、再び伊沢修は中国の革命家と手を組みペテンを繰り広げます。ターゲットはなんと時の権力者、袁世凱。伊沢は袁世凱をペテンにかけて、無事、ずらかることができるのか!?

  「T.R.Y.」 がなかなか面白かったので、期待して読み始めました。
前作では、上海と日本とをまたにかけて、ペテンを繰り広げますが、今回の舞台は北京。だからかも知りませんが、なかなか頭の中にすっと入っていきません。
 しかも前作を読んでいる、あるいは詐欺の話だと言うことが頭の片隅に入っちゃってるからだと思いますが、なんとなく始めからラストが想像できてしまいました。

 それに今回初めて登場する人物がなにか中途半端。
例えば、江燕は始めのウチは結構キーとなる登場人物かなと思って読み進めるのですが、結局本筋とはちょっと違うエピソードがちらほら繰り広げられるだけなんですよね。重要な登場人物なら、もう少し本筋に絡ませて欲しかったなぁ。

  「T.R.Y.」 より、スピード感も無いし、あっと思わせる詐欺の醍醐味も少ないし、総じておもしろさがダイブ落ちてますね。
結末はなんとなく、シリーズ化しそうな感じを漂わせてますが、大丈夫かなぁ?

北京詐劇

著 者 井上 尚登
ジャンル 小説
出版社 角川書店
四六版 447ページ
価 格 1,680円

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2006年12月10日 11:18に投稿されたエントリのページです。

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