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ベルナのしっぽ/郡司ななえ


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 「ベルナのしっぽ」 その名前になんとなく覚えがあり、読んでみました。

 ななえさんは、お母さんになりたいという夢をもっていました。大人になってから失明したななえさんにとって、白い杖一本で街中をあるくことは大変なことです。
 けれど子供が出来たら、何が起こるかわからない。急な発熱には自分が誰に頼ることなく、病院に連れて行かなければいけないだろう。

 そう思ったななえさんは盲導犬を使うことも考えました。けれど一つ問題がありました。実はななえさんは小さい頃に犬に飛びかかられてから、犬が大の嫌いだったのです。

 でも子供が欲しい。
ななえさんはとうとう決心をしました。

 そんなななえさんの元にやってきたのが、ベルナ 黒のラブラドールです。最初はこわごわとしていたななえさんも、やがてベルナと心が通じ合うようになっていきます。

 私は盲導犬はおとなしく、なんとなく滅私奉公といったイメージがありました。けれどこの本を読んでみると、そうではないことを知りました。もちろん盲導犬としての仕事は責任をもってこなしますが、嬉しければ尻尾をぶんぶん振るし、逆に拗ねることもあるんですね。
 それだけじゃありません。念願かなってお母さんになったななえさんを助け、息子 幹太くんの動きに注意を払い、何かあるとななえさんの足を鼻先でつんつんと突っついて、注意を喚起してくれる。そう、まるで幹太くんのお姉さんのように振るまってさえくれるのです。

 犬嫌いのななえさんがベルナを受け入れ、信頼しそして娘のように可愛がる。盲導犬についてそういう犬がいるということしか知らなかった私に、単なる目の代わりでは無い信頼できるまさにパートナーであるということが実感できる本でした。

 決して凝った文章ではありませんが、「本当にななえさん、目が見えないの?」と思うほど生き生きとした描かれたベルナの様子。そして愛情が溢れんばかりの文章で感動できるいいお話でした。オススメです。

 そんな「ベルナのしっぽ」をアニメ化しようという運動があります。
フジテレビでTVドラマ化されたようですが、より一層盲導犬について知ってもらうため、全国の公民館などでの上映を目指しアニメ化をしようというものです。
 当初はアニメ化のオファーがあったようですが様々な事情から立ち消えとなり、それならば自分たちでアニメ化を目指そうと「ベルナのしっぽ」を支える会が立ち上がったようです。

 残念ながら、昨年の暮れに活動を休止してしまっているようですが、長い間地道に活動してきたようですので、ダイジョウブ、しっかり活動再開してくれるでしょう。応援の輪はあちこちにあるようですから。(→応援ページ

ベルナのしっぽ

著者 郡司ななえ
ジャンル エッセイ
出版社 イーストプレス
四六版 191ページ
価格 1,275円

ベルナのしっぽ 角川文庫もあり

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コメント (4)

何年か前に大竹しのぶさんがやっていたドラマを見ました。
心が通じていく様子はとっても感動的でしたよ。
あのドラマで「盲導犬は仕事中だから触ったりエサをあげちゃいけない」ってことを知った気がします。
アニメだったら子供にも伝わりやすいし、たくさんの人が盲導犬の事を知り、理解を深めていったらステキですよね。

yomikaki:

micioさん、こんにちは。
私はTVドラマは見てないんです。
でもこの本は読んでいて、盲導犬というものの理解が進んだ気がしますし、ななえさんとの間の心の交流が感動的でした。
よかったですよ。
きっとTVドラマも感動的だったんでしょうね。

川島 有理亜:

私は、犬を飼っています。ミニチュアダクスの男の子です。あまり、犬は、好きではありませんでした。けれども・・・友達がカワイイ犬を、つれて散歩しているのを、見ているとうらまやしくてたまりませんでした。なので、お父さんに相談してなんとかokをもらい、飼ってもらいました。とってもうれしかったです。ときには、おこれてくるときも、あるけれど、犬って、いいですね!!!

yomikaki:

川島さん、こんにちは。
ミニチュア・ダックスフンドですか?かわいいですよね。私も近所のペットショップで見かけましたが、飼いたくなってしまいました。
ガマンしましたけど...
大事にかわいがってあげて下さいね。

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2005年03月08日 08:04に投稿されたエントリのページです。

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