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容疑者xの献身/東野圭吾

 第134回直木賞受賞作です。
といっても、私が買ったのは年末。
正月の読書にと思って買ったのですが、読むヒマがないまま休みが明けてしまいました。

 もともと東野圭吾は好きですし、しかも「このミステリが凄いの第一位」に選ばれたというのが決め手になったわけですが、いつのまにやら直木賞。話題に乗り遅れてはいかん(笑)と、慌てて読みました。

 この本の主人公、石神は高校の数学の教師。
本当は大学で数学の道を究めたかったのですが、事情によりやむなく教師になったくらい、真剣に数学に取り組んでいたような男です。
(しかし最近は数学が流行っているんですかね。「博士の愛した数式」の次ですから)

 そんな真面目な彼が密かに思いを寄せるのは彼の部屋の隣に住む靖子。
彼女が別れたダンナを殺してしまったところから話は始まります。
 彼女を助けようと、彼は理系の男らしく理詰めで考えをめぐらせ、警察の手から彼女を守るべくトリックを考えだします。彼のトリックに翻弄される警察。果たして彼は警察の手から彼女を守りきれるのか...

 理路整然と考えるその発想、想いを伝えずただ見守るだけの愛、そんな不器用で真面目一徹の理系男の気持ち、良く判ります(私もそんな理系男の一人ですから...笑)
 そんな石神の靖子に対するの想いや、そして彼が考え出したトリックにはまっていく警察の様子が、なかなか読み応えがあり、引き込まれました。
 その彼のトリック、読み進めるに従い、キーの一つは途中でなんとなく気づきましたが、やっぱりトリックそのものは最後まで読まなければわかりませんでした。
まさかあんなトリックだったとは!ちょっとびっくりしました。

 面白いですよ。
でも...私は同じ東野圭吾なら「秘密」の方が好きです。

容疑者xの献身

著 者 東野圭吾
ジャンル ミステリ
出版社 文芸春秋
四六版 352ページ
価 格 1,680円

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コメント (4)

私も読みました!面白かったですね。
東野圭吾は私も好きな作家です。
「このミス」で1位になってたので、即買いました。
中盤までは普通に読んでたけど、そこから先は
ぐいぐい引っ張られて一気に読んでしまいました。
読み終えてホロっと泣けてきましたよ。

「秘密」は傑作ですよね。私もイチオシです。
あんなに切ない話を、私は他に知りません。

yomikaki:

タオさん、こんにちは。
やっぱり「このミス」がきっかけですか!?
私も、出だしはちょっと「なんだかなぁ」という気がちょっとしてましたが、だんだんと引き込まれ最後の方は一気に読んでしまいました。

「秘密」、いいですよね。
ラストのエピソードがホロリとさせられます。

おはようございます。
おもしろそうですね!
この前『探偵ガリレオ』を読了したのですが
正直、二の足を踏んでました。
yomikakiさんのレポを拝見して読んでみようかなと思いました。
楽しみです。

yomikaki:

うみさん、こんにちは。
ごめんなさい『探偵ガリレオ』ってまだよんで無いのでそれと比べてどうかという判断が着きません。
 でも不器用な数学教師の愛の形、そしてトリック読み応えありましたよ。

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2006年01月25日 06:38に投稿されたエントリのページです。

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