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仕事が俺を呼んでいる/矢作 俊彦

 この本は、求人雑誌 B-ingに掲載されていた小説を収録した短編集です。

 地上げで人気の少なくなった都心を自転車を漕いでお得意先を回る銀行マン、世田谷の住宅街に住む成金の社長へ自動車を届けるセールスマン、さえない大学の非常勤講師。
世の中には本当にいろんな仕事があります。

 華やかな仕事、楽しそうな仕事。
でもどんな仕事だって、良いことばかりじゃありません。
いや、悪いこと、大変なことの方が多いかもしれません。

そんないろんな仕事を描いた短編なのですが、そんな普通の仕事を矢作俊彦が書くと、ハードボイルドの世界になってしまうのが不思議です。

いや、ちっとも不思議じゃないのかも。
「探偵稼業だけが、ハードでタフな仕事じゃない。普通の、我々がやってる仕事だって充分ハードボイルドなんだ。」
本当はそうなのかもしれません。

どんな仕事だって ”タフでなければ生きていけない” ですよね。
あとは ”優しくなければ生きていく資格がない” かな(笑)

仕事が俺を呼んでいる

著 者 矢作 俊彦
ジャンル 小説
出版社 新潮社
四六版 293ページ
価 格 1,631円

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2006年04月05日 07:09に投稿されたエントリのページです。

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