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ドイツ兵士の見たニッポン / 習志野市教育委員会

ドイツ兵士の見たニッポン―習志野俘虜収容所1915~1920 (丸善ブックス) 数年前に「バルトの楽園」という映画があったのはご存知ですか?
第一次世界大戦時、中国の青島で日本と戦い、捕虜になったドイツ兵と日本人の交流を描く作品で、徳島県鳴門市に実在した板東俘虜収容所が舞台のお話です。

 残念ながら私はその映画はまだ観ていないのですが、実はそのような捕虜収容所は日本各地に12ヶ所あり、最大の収容所が習志野市にあった習志野俘虜収容所なんだそうです。

 近くにそのようなところがあるなんて、実は最近までちっとも知りませんでしたが、ひょんなことからそのことを知り、彼らドイツ兵について綴られたこの本を読んでみたわけです。

 習志野俘虜収容所も、西郷寅太郎(西郷隆盛の嫡男)所長が彼らの人権を尊重し、捕虜と言えども人道的に扱われていたため、オーケストラや運動会なども開かれていたようです。
 そして坂東に負けず劣らず、地元住民との交流も盛んであったとか。そもそもこの史実を掘り起こすきっかけとなったのは、収容されていたドイツ兵が作り、住民にプレゼントしてくれたボトルシップがきっかけなのですから...

 また習志野俘虜収容所で、日本人に伝わっていったものも少なくありません。

 例えばソーセージ。
 日本のソーセージ発祥の地と呼ばれる場所は何箇所かあるそうですが、ここ習志野は日本食肉協会も認定するソーセージ発祥の地となっています。
 なぜなら習志野に収容されていたドイツ兵捕虜が伝授したソーセージ作りの秘伝が、農商務省の講習会を通じて日本全国に伝わっていったことからだそうです。ちっとも知りませんでした。

 この本、とても興味深く読めました。
著作者である習志野市教育委員会では、"大正8年の青きドナウ"というホームページもあり、そちらでも当時の様子を窺い知ることができます。

ドイツ兵士の見たニッポン

著 者 習志野市教育委員会
ジャンル ノンフィクション
出版社 丸善ブックス
四六版 218ぺージ
価 格  1,890円

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2007年10月05日 07:00に投稿されたエントリのページです。

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