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2003年12月 アーカイブ

2003年12月01日

ドナドナ

 しばらく、まったくと言っていいほど、HPから離れてました...忘れてたといってもいいほど。
まったく、weblog=日記 三日坊主が当てはまる。ちょっと反省。

というわけで、久々の更新

 先々週末(これもチト古いが)に、今まで乗っていたマーチを売りました。
7年弱乗っていて、走行距離は約5万5千キロ。
買い替えの為なんですがに売ったんですが、下取りより買取専門店の方が高く買ってくれたので、新車が来る前に引き取られていきました。やっぱり7年も乗っていると、それなりに愛着もあり、まさに「あ〜る晴れた、ひ〜る下がり、い〜ちばへ続くみち」というドナドナの歌の気分でした。

いい人に買われるんだよ〜って感じですね。

ps.ドナドナの歌詞はどんなんだっけ!? ということで調べました。
ドナ研ここを見ると、あの曲調がなぜあんなに暗いのか、納得します。童謡とはいえ、背景にはあんな事柄があったんですね。幻の4番なんて、暗すぎる...もはや童謡ではないですね。

シエスタおじさん

シエスタおじさん。青空に浮かぶその人は空にぷかぷかと浮かび寝ている。
なにをするわけでもないが、空に浮かぶ姿を見ると幸せになれるとも言われている。
激しく動き回るときはなにかが起こるとも言われている。

ほとんど迷信の権化のようなおじさんと母を捜しにでかけたぼくとの話です。でもシエスタおじさんとぼくは会話をするワケでなく、ぼくの旅の中でところどころで寝ているだけ。

ぼくの旅では、様々な宗教談義が出てきます(さわりですけど)。よく分からないなんてことない話のようでいて、深い話なのかも知れない。ちょっと不思議なお話でした。

シエスタおじさん
青空に浮かぶその人はすべてを知っている

小暮満寿雄 著
ジャンル 小説
出版 文春ネスコ
158ページ (B6)
価格 1,350円

2003年12月02日

手紙

 「罪を憎んで人を恨まず」って、言葉がありますよね。
 宗教用語?真の意味はよくわからないけど、「罪を犯した人、その人を恨むのでは無く、恨むなら罪を犯さざろう得なかった環境(社会?)を恨みなさいよ」という事でしょうか。
 けれど人間ってそうそこまで達観した境地にはなかなか至らないもので、被害を被った人は当然としても事件に関係の無い人であっても、罪を犯した人を恨み「アイツは犯罪者だ」とレッテルを貼る。そしてそれは犯罪者本人だけでなく、その家族にまで貼られてしまう。アイツは「殺人者の弟だ」と...
 この本は弟のために罪を犯し服役中のた兄からの「手紙」と、殺人者の弟だという負い目をもった主人公の生活と心情を綴った話です。
 犯罪者の弟が感じる疎外感。兄のことを隠して生活していてもやがてはバレてしまう。そのとたん腫れ物に触るように、あるいは露骨に自分たちの周りから弾き出そうとする人。なかには以前と変わりなくつきあってくれる人もいます。そしてとうとう、ある決心をした主人公に見せられた手紙。そこから感動のラストへと続きます。
 読み終えてなんかスッキリしない(救いが無い)話ですが、東野圭吾の話の紡ぎ方に旨く、引き込まれます。

手紙

東野圭吾 著
ジャンル 小説
出版 毎日新聞社
357ページ(四六版)
価格 1,800円

2003年12月03日

ぷー

 先日ドナドナされたマーチくんに代わって、「ぷー」がやって来ました。「ぷー」とはプジョーの307
色は明るいエーゲブルーと落ち着いたチャイナブルーとの間で悩みに悩みぬいた末、チャイナブルーに。納車の日はあいにくの泣きそうな曇り空だけど、気分はウキウキ。当分楽しめそうです。ウィンカーとワイパーを間違えないようにしなきゃ。

2003年12月04日

国立近代美術館

今日は納車されたばかりの「ぷー」に乗って、初ドライブ。何処へ行こうか前の週から考えていたけど、昨日に引き続き天気が悪いので都内の国立近代美術館へ。
ここでは今、「旅−ここではないどこかへを生きる10のレッスン」「あかり:イサム・ノグチが作った光の彫刻」、それに工芸館では「木の椅子展」を開催していてどれも見て見たいものばかり。そこで都心へのドライブとなった訳です。
都心までは高速道路をドライブ。マーチくんと比べること自体が間違っていると思うけど、快適なクルーズ。体感速度で30km/hから40km/h違います。

「旅」展はうーん、いろいろな人が所有しているであろう「リバティパスポート」と空港の写真の写真である「エアポート」が印象的、あとは正直よくわからない。

「あかり」展は、ごぞんじイサム・ノグチのあかりが所狭しと並んでおり、ちょろっと解説等がある程度で、展示スペースも狭いし期待はずれ。

「木の椅子」展は日本の工芸作家が作った、木の椅子を展示していましたがなかなか良さそうなものあってちょっと欲しくなったけど、買うとべらぼうに高いんだろうね。でも、いつぞやかOZONEで見たような気がするのは気のせいでは無いでしょう。

全体的にあまり時間が無くて駆け足で見たんで、ゆっくり見ると違ったのかもしれないけど、今回の一番良かったのは工芸館の建物そのものでした。この建物は旧近衛師団司令部庁舎で赤煉瓦作り、なかなかかっこいい建物です。国の重要文化財に指定されています。

2003年12月07日

ごあいさつ

 フランス車は壊れやすい...ってイメージが世間一般では強いですよね。
 なにを隠そう「ぷー」を買うときにも、自分自身そう思ってたし、やっぱりネットで色々調べました。
参考になったのはココとかココ、要はオーナーさんの掲示板情報ですね。でもよく考えるとそういった掲示板って、なにかトラブルがあるから情報交換するのであって、何もない(故障しない)人はそんなとこ寄り付きもしないってのが正直なとこじゃないでしょうか? でも読んでて思ったのは、オーナーの皆さん壊れても悲壮感が無いですね、むしろ楽しんでいるようです。プジョーには小人がいて時々悪さをする、くらいに思っているようです。
 なわけで私もそんなに心配してなかった(というより何かは起きるだろうなという覚悟?)のですが、やはりウチの「ぷー」にも小人が居たようです。
 近代美術館からの帰り、内堀通りを走っていたら、いつのまにやら前に307SWが...。「おっ、初のプジョー同士のランデブーだ」と思ったら、ヘッドライトが突如点滅を!
なんだ、なんだと焦りましたが小人の騒ぎはほど無く収まり、その後は何事も無く帰り着きました。
やっぱり小人があいさつしたかったんだろうか?

ps.プジョー関連で一番オススメサイトがこちら。だんなちょんとおかみちょんのサイトが笑わしてくれます。プジョーに興味なくとも面白いのでは。

2003年12月22日

高ボッチ

納車されてから、初めてのロングドライブ。
仲間内での納会をかねて蓼科へGo!

夜は宴会して、温泉入って、さあ今日はなにをしよう!?って、大体学生の頃からこの辺りをうろうろしてたんで、大体の目ぼしいところは行き尽くしちゃったし...

と地図を見ていたらあるじゃないですか、アルプス展望台。美ヶ原とかはもちろん行ったけど、この塩尻峠から入っていった高ボッチって誰もいったことが無い。名前も興味を惹かれるけど上には牧場もある見たいだし、なによりアルプス展望台というのに惹かれて行って見ました。

途中の道から雪が残っていて、ウチの車は途中でストップ。スタッドレスを履いた仲間の車に便乗して頂上へ。頂上は一面雪景色、子供がよろこぶ、喜ぶ、大人も車でドリフトし放題。
ってそれはともかく眺めは...最高ですね!頂上は緩やかな丘陵になっていて展望台はいくつかありました。北側の展望台は、松本市街を眼下に見下ろしその向こうには北アルプスの山々。穂高や槍ヶ岳もばっちり。ぐるっと北方を見れば妙高の方も!いやー、いい眺め。
ちょっと移動して南側の展望台では、南東の方が開けており南アルプスや八ヶ岳がばっちり。そして何よりも諏訪湖の向こうに富士山が!!百名山がいくつ見えるんだろう?

12月の中旬だからそんなにいないけど、それでもポツポツと地元ナンバーの車が来てました。ハイシーズンには混むのかな?でもお勧めスポットです。

帰りは岡谷の蕎麦屋、「あきしの」で「そば三昧」を頂きました。ここは何時来てもいいですね。蕎麦は美味いし、ソバガキも。そして店の雰囲気もね。

2003年12月30日

イサム・ノグチ 宿命の越境者

  先日、国立近代美術館でイサム・ノグチ展を観たのを機に、イサム・ノグチについて知りたくなり、図書館で伝記を借りて来ました。
 やっぱりイサム・ノグチといえば、和紙を使った有名な「あかり」シリーズでしょう。洒落たインテリアショップや雑誌などで良く見かけます。私も「あかり」でイサム・ノグチを知りました。その後イサム・ノグチという表記から彼が日系二世であり、彫刻家であったことを知りました。ただ大抵の人がそうであるように私も知っていたのはそこまででした。

 彼は彫刻家であるといっても普通の彫刻家の枠に捕らわれず、彫刻を単なる一つのモノではなく空間を構成する一つの要素として捕らえ、作品はいわゆる彫刻品だけでなく空間をプロデュースした庭とか公園と多岐にわたっています。
 その彼の作品の根底には二世であるがゆえの苦しみ、日本でもアメリカでも自分を受け入れてもらえない「宿命の越境者」としての苦しみがあるようです。
 しかしながら、ハンサムな彼は数多くの女性と浮名を流しました。メキシコの女性画家として有名なフリンダ・カーロと不倫による騒動を起こし、また李香蘭で知られる山口淑子と結婚し北鎌倉の魯山人の離れを借りて新婚生活を過ごしています。山口淑子とは結局別れることになりますが、魯山人の離れで過ごした時期は彼にとって幸せであったように思えます。
 やがて彼は日本とアメリカを行き来するうちに、日本三大石材産地の一つである四国の牟礼で晩年の彼を支える石匠 和泉正敏と出会います。和泉は個人として共に作品を仕上げ、彼の実家 和泉石材店としてもイサムの日本での活動を支援するなど、公私にわたりイサムを支援しイサムになくてはならない人となります。やがて和泉は丸亀市にあった築二百年の農家を移築し、イサムの日本における拠点として提供します。当初煤と煙で真っ黒であったその家をイサムは「こんなお化け屋敷に住むのはいや」と拒絶しますが、修復作業を見ているうちにのめり込み、やがて「イサム家」と呼ばれるようになります。(イサム家はやがてイサム・ノグチ庭園美術館としてオープンします)
 晩年、彼は和泉のいる日本の牟礼とミケランジェロを輩出したイタリアのピエトラサンタ、そしてニューヨークを転々としながら、最後までアグレッシブに創作活動を送り、そして1988年12月30日に他界しました。
 そんな彼が最後までこだわり続けた作品のひとつが芸術作品として捉えて貰えなかった「あかり」シリーズであると聞くと、普段なにげなく見ている「あかり」も感慨深いものがあります。またもう一つこだわっていたもの、それはニューヨークでは何度もコンペに応募しながら、採用されることの無かった「プレイマウンテイン」...札幌市郊外のモエレ沼公園(1998年7月一部開園 2004年完成予定)として実現します。

 最後まで「越境者」としての作品を作り続けたイサムですが、幼少時代を過ごした日本での自然風景、魯山人の側で過ごし影響を受けた新婚時代、そして牟礼での生活と充分その感性は「越境者」ではなく、「日本人として」の感性のように感じました。

 この本はイサム・ノグチの生涯を綴った伝記なのですが、一気に読ませる文章力、過不足無く調べ盛り込まれた中身、非常に面白い本でした。
ps.サイトで本の情報を調べて知りましたが、第22回講談社ノンフィクション賞受賞だったんですね。

イサム・ノグチ 宿命の越境者(上)/(下)

ドウス昌代 著
ジャンル ノンフィクション(伝記)
出版 講談社
397ページ(上)/389ページ(下) 四六版
上下 各 2,000円

※ 講談社文庫版もあり

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