「蝉しぐれ」/「たそがれ清兵衛」など藤沢 周平の作品にたびたび登場する架空の藩、海坂。その海坂藩を舞台にした短篇集が海坂藩大全です。
海坂藩は藤沢氏の故郷、山形の鶴岡市にあった庄内藩をモデルにしているそうですが、美しい自然、四季折々の風景がまるで目に浮かんでくるようです。
小説ですから、お家騒動、商人との癒着、隠密との暗闘などを題材にした話ではあるのですが、海坂藩はそんなにゴタゴタが続いているのかと、ちょっと心配になってしまいます(笑) むろん各話の間に関連が無くたって全然構わないのですが、あまりにもリアルな設定に実在の藩の実在の事件であるかのように感じてしまいます
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GM、ポルシェ、そしてフェラーリをデザインした日本人 Ken Okuyama こと奥山清行さんの初の著書です。
デザイナーというクリエイティブな仕事を極めた人の著書でもあり、またタイトルに惹かれて読んでみました。ただ結論から言うと、タイトルと本文の関連は全くわからず...
なんとなく、フェラーリをデザインすることも鉄瓶をデザインすることも根幹では一緒なんですよ、なんてメッセージがこめられていることのは見た瞬間わかりますが、本文中にはそういう記述はほとんど無し。かろうじて、「おわりに」の冒頭の4行にそういう記載があるだけ。
ちなみに本文中にも鉄瓶についての記載は終わりの方に1ページだけしかありません。
ただ、だからと言ってこの本が読むのに値しないかというと、まったくそんなことは無くむしろ考えさせられるところが多数ありました。タイトルにやられた、って感じですね(笑)
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数ある西原さんの本の中で、なぜか毎日かあさんシリーズだけは読んだことありませんでした。なぜなんだろう?
このシリーズ第四作は、帯にあるように今年無くなった元ダンナの鴨ちゃんとの最後の日々の様子を、書き下ろしも含めて収録されているということで、いきなり4巻から買っちゃいました。
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